共感してほしいって何だろう?子育てを通した夫婦関係で見えたこと。

以前、下記の記事を見つけてSNSでシェアしました。

記事を読んで、

私は自分の辛さが言語化されていて

それだけで少し心が軽くなるのを感じました。

シェアした日の夜、

その投稿とシェア記事を読んだ夫が

「共感ってなんやろ?」

「俺はあの記事読んでも共感できへん」

と話始めたのです。

それからいろいろ話し合ったのですが

夫は自分で「俺は共感力がかなり低い」と言いました。

確かに、私が子供とのことで

「◯◯◯が辛い、しんどい。」

と伝えると、だいたいは

「理恵はどうしたいん?」

と返ってきます。

いつも具体的な話で

私の気持ちを現実に戻してくれるので

夫のおかげで、仕事やプライベートで

ぶれない軸作りが出来ています。

ただ、

「共感してほしい」

「受け止めてほしい」

だけなのに

そのプロセスを飛ばして、

「私はどうしたいのか?」

へいってしまうと

いつもしんどくなる私がいました。

しかし、夫が言ってることはごもっとも。

他者がどうであれ自分は本当はどうしたいか?が一番大切であること。

でも、やっぱり

「ちょっとくらい共感してくれたらいいのに・・・」

と寂しく感じていました。

共感する、共感力ってなに?

そもそも、共感って一体何だろう?

本当に共感を求めてるのかな?

そう思い、調べてみました。

他人が喜ぶのをみるとともに喜び、他人が悲しむのをみるとともに悲しむというように、他人と同じ感情をもつことをいう。 この場合、ある人(他人)がまずある感情を体験しているということが前提条件で、その感情の表出を観察者(自分)がみて、自分も同じような感情を体験することをいう。 他人がどのような感情を抱いているかを観察しないで、たぶんあの人は悲しんでいるであろうと自分かってに推測して、悲しんでみせるというのは共感とはいえない。 また、他人が悲しみの情動を体験しているのを確かに理解できても、自分は悲しくなれないというのも共感ではない。 ある人とともに悲しむためには、自分もその人と同じような悲しい体験をしていることが必要ともいえる。 親を失った人の悲しみは、自分も親を失って悲しい体験をしたという人によって初めて共感できるというように、ある感情への共感は、その感情についての先行体験が必要条件ということができる。 カウンセリングや心理療法などで、カウンセラーは来談者を共感的に理解しなければならないとされているが、共感はこのような専門領域における対人関係だけではなく、一般の日常生活においても人間関係を円滑にしていくために必要なことである。コトバンクより

確かにただ単に

「それ、わかるぅ~!」

って言ってほしいわけではない。

ただ、私はこうなんだ、ということを

受け止めてほしい、と思っていました。

じゃあ本当に私は共感を得たいのか?

大多数の人の共感を得たいのではなく

「大切な人だけにはわかってほしい。受け止めてほしい。

そうすれば、どんなことでも頑張れるのに。」

そんな自分を見つけました。

逆に、唯一理解してもらいたい人に

理解してもらえていない、という

深い孤独感も持ち合わせていました。

そしてこの

【共感してもらいたい】

これは

自分が本当は何をどう感じてどう思っているのか、

見るのを避けているというところに行き着きました。

本当の私の心の中は・・・

夫は仕事で疲れているのに子育て手伝ってくれてる、

と自分に言い聞かせていましたが、

「夫が子育てを手伝う」ってそもそも何なのよ?って。

手伝うって、まるで子育ては妻だけがすることみたいになってるから

それを手伝う夫はすごい。

だから「イクメン」とかいう言葉が出来るのでは?

確かに産むのは女性だけれど

子育ては2人でするもんじゃないの?と。

子供にまとわりつかれながらの家事がどれだけ大変か。

息をつこうにも子供がずっと話しかけてきたり

目が離せなかったりで思考を整理する暇もない。

ゆっくり湯船に浸かりたい・・・。

ああ、私、夫に怒ってるわと。

さらに

本当のところ、私の思想や価値観は世間では受け入れられない

と、感じていることにも気が付きました。

子育てに関しての感覚も、

世間を知れば知るほど

「私の価値観をそのまま話せばドン引きされる。」

と周りの話を聞けば聞くほど

強く感じていました。

【これは話すとマズイ】

そんな感覚を押し込めていました。

1人の時間が欲しい。

子育てってこんなに制約があったの?

可愛いのに可愛がってあげる余裕のないお母さんでごめん・・・

こんなにしんどいと知っていたら産まなかったかも・・・

自分が母親なんてやっぱり無理だったんだ。

夫のブログに書かれていたこと

そして夫のブログに、

———-

子育てを通して浮き彫りになる夫婦関係
これを読んだ多くのお母さんたちは自分の旦那もこんなふうに理解してくれたら、と思うんでしょう。
ということはお母さんの大変さを理解しているお父さんが少ないということですね。

残念ながら僕もこんな理解ある旦那ではない。こんな理解ある旦那になりたいけどなれないです。

こんなこと書いたら怒られるかもしれないけど僕は自分の奥さんのお母さんとしての大変さはわからない。

まったくわからないわけではないけど真に理解しているかというと「?」です。

きっと大変なんやろうな、しんどいんやろうな程度です。

もしこの旦那さんのような状況に置かれたら僕もしんどくて辛いときを過ごすかもしれない。

けどそれは奥さんのしんどさ辛さとは違うし違う人間やから比べようもない。

だから辛さを想像はできても、例え同じ状況を経験し辛さを味わったとしても奥さんの真の辛さはわからない。

わかりたいけどわからない。

わかってあげたいけどわかってあげられない。

聞いてあげることしかできない。

だからわからないなりに寄り添い聞くように心掛けてはいるけれど

聞き続けているとこっちもしんどくなってくる。

自分に余裕がないときは聞くのが嫌になる。

奥さんが子育てに関して辛さを語るとき僕を責めるような言い方をすることはあまりない。

でも僕は知ってるんです。
奥さんが子育ての辛さを語るときは僕が奥さんをフォローできていないことを。
僕が奥さんをフォローできていたら、奥さんに共感してあげていたら奥さんが子育ての愚痴を言わないことを。
愚痴らないどころか子供と楽しく過ごせることを。
夫婦関係が良好なら子育ての問題も問題視しなくなることを。

だから子育ての辛さを語られると僕は勝手に自分が責められた気になる。

奥さんが僕を責めているわけではなく僕が僕を責めてしまう。

自分の旦那としての力量のなさに嫌気がさす。

奥さんの辛さをわかってあげる、共感してあげる前に自分の不甲斐なさでそれができなくなる。

本当は共感してあげたいんやけど。

子育てが問題のようで実のところ夫婦間の問題でしかない。

例え子供に何かしら問題があったとしてもそれは子供の問題であって夫婦間の問題ではない。

子供に関して夫婦で意見の食い違いがあって言い争いをすることもあるかもしれない。

でもそれは子供を通して夫婦間の問題が浮き彫りになっているだけ。

「手伝って」と言えない夫婦関係
「私は、俺は子供にこうあってほしい」と言えない夫婦関係
「いつもありがとう」と素直に言えない夫婦関係

お互いが本音で言いたいことが言えない関係が子供を通して浮き彫りになっているだけ。

夫婦関係が良ければ子育ての問題がまったくなくなる?かと言えばそうではないけど

大部分の問題が問題ではなくなると思うんです。

もちろん僕には僕で子供を通して観えてくる自分の課題もあるし、奥さんには奥さんの子供を通して観えてくる奥さん自身の課題があるけど

その課題と子育てを通して浮き彫りになっている夫婦関の問題は別物。

夫婦関係がうまくいっていればそんな個人の課題もお互いに助け合い向き合いやすくなる。

夫婦関係の問題を子育ての問題にすり替えてはいけない。

冒頭の記事に話をもどすと世の奥様方は旦那に自分のことをわかってほしい、共感してほしいということやと思うんです。

子育てのしんどさをわかってほしい
子育てばかりで社会から見放された孤独感をわかってほしい
めちゃくちゃ大変な子育てという仕事をしているのに誰からの労いも感謝の言葉もない虚しさをわかってほしい

僕は人一倍共感する能力が低いです。
だから奥さんはわかってほしい、共感してほしいという思いで話しているのに共感するよりも解決しようとしてしまう。
僕が共感する能力が低いからというだけでなく世の旦那さんも似たようなもんだと思うんです。

決して奥様のことを大切に思っていないとかではなく
わかってあげたいけどわからなかったり
共感してあげるだけでいいのに解決しようとしたり
自分が不甲斐ない旦那やと無意識が思っているから聞いてあげることができなかったり
子育ての大変さを理解できたとしても照れ臭くて「いつもありがとう」が言えなかったり

基本的に男性は女性に比べて共感する能力が低いじゃないですか。

てことは僕みたいな旦那さんもいっぱいいると思うんです。

だから旦那さんを責める前に「子育てはこんなに大変で孤独で辛くてしんどいんやぞ〜!」と普通に言葉にしてみたらいいと思うんです。

やばい!長々と書いていたらゴールを見失いました。

まぁようするに夫婦がうまくいってたら子供がどうなろうとどうにかなるんです。

だって夫婦の子供なんやから。

だから子供のことはほっといて(オイッ!)お互いが快適に楽しく過ごせる夫婦になることだけを考えましょう

———–

夫を責める言葉は使わなくても

責めるエネルギーは持っていました。

だから、伝わってるんですね。

実は自分のことを一番責めていた

そして、夫を責めているとき

同時に私は私を責めています。

私なんて母親に向いてない。

どうして他のお母さんみたいに遊んであげられないのか。

子育てよりも仕事がしたい、一人の時間が欲しいと思うことへの罪悪感。

挙げればキリがないです。

そして

母親たるものが子供より自分を優先することへの世間の風当たりのキツさを考えると

とても本音なんて言えないと感じていました。

(きっと私はおかしいんだ・・・)

夫があのシェア記事を読んで

「俺は共感できない、よくわからない。」

と言ったことに関して

正直様々な感情が揺れ動きました。

悲しい、寂しいとも感じました。

でもそのおかげで心の奥底の本音というものに光が当たりました。

お互いの本音を掘り下げて話すことの重要性が身に沁みました。

もちろん気力も体力も使います。

でも、そうして切磋琢磨しようと一緒になったのがパートナーなんじゃないかな?

現在、娘は14歳(2024年現在)です。

乳幼児の時のしんどさや辛さとは違うけれど

歳を重ねるごとに親の悩みも変わります。

そして、2人の間にやってきた娘は

間違いなく私たちを成長させてくれる存在だと。

以前はそんな風にも思えませんでした。

でも、親になって14年、ようやくそう思えるようになりました。

まだまだだけどね。

それでも日々向き合っていきたいなと思います。

「私は世間からズレていると感じてるけどそれでもいいやん。」

「自分が出来る範囲でやればいいやん。」

「もっと誰かに頼ってもいいやん。」

自分が自分をもっともっと受け入れられた時に

肩の力が抜けるんだと感じています。

そして、心に抱え込んでしまった女性が

もっと気軽に吐き出せる場所作りなんかも出来ればいいなと考えています。

本音吐き出すだけでも違うと思う。

公に言えないこともある。

でも、言って心が少しでも軽くなるなら

それは自分だけでなく、子供のためにも良いじゃない?

でも、やっぱりまずは腹を割って話せる夫婦関係が大事なんだと思います。

子育て、自分のキャリア、夫婦関係

こんなことが話せるお茶会とかランチ会もまたやりたいな。

こちらの記事も人気です。

人生の紐解きのヒントになれば幸いです。

心の奥底に根付く「自己否定」「自己卑下」― 親子関係の中で創り上げた呪縛。

自分を知るってどういうこと?変わりたくない、知りたくない無意識。

筆者プロフィール

rie-ueno
rie-ueno
上野理恵(うえのりえ)

アール代表兼デザイナー

美容師、アパレル販売員、アパレルデザイナーを経て現在アクセサリーデザイナー、講師として活動中。

数年前にヨーロッパの伝統的な刺繍の一つ、ソウタシエに出会い、技術として取り入れる。現在は独自のソウタシエアクセサリー講座を開催。

ソウタシエだけではなく、ワイヤーワーク、ミシン加工による作品展開など、専門分野は多岐に渡る。

カタチや枠にとらわれない自由な発想とデザインによる完全おまかせのオーダーアクセサリーが一番人気。リピーターも多い。

少しトーンの低い声で繰り出す大阪人特有のキャラクターが親しみやすいとの声も。

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共感してほしいって何だろう?子育てを通した夫婦関係で見えたこと。”へ2件のコメント

  1. まっしゅ より:

    私だけじゃない。
    この記事を読んで、そう思えたことが救いです。
    夫婦での話し合いは未熟過ぎて、私の脳内に離婚の選択肢が挙がってきます。
    その選択肢を選ぶことがないように、夫婦で話すこと、お互いを尊重し、自分を許すことができるように、考えていきたいと思います。
    本当にこの記事を読むことができて良かったです。
    沸騰した頭が冷えました。

    1. rie-ueno より:

      まっしゅさん。コメントありがとうございます。
      話し合う中で、やはりわかってほしい気持ちが勝ってしまって相手を責めてしまうことは誰にでもあると思います。
      本当に気持ちが迷路でさまよっているような感覚でしんどいですよね。
      まっしゅさんがこれから幸せな選択ができるように陰ながら応援しています。
      記事を読んでいただいてありがとうございます。

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