「承認欲求」を生きる糧に変えたオンナ。私を成長させるキッカケになったのは「承認欲求」だった。
あなたには承認欲求はありますか?
「誰かに見られたい。」
「誰かに褒められたい。」
「誰かにかまってほしい。」
「誰かに認められたい。」
「誰かとつながりたい。」
多かれ少なかれ、何か持っていませんか?
私はありました。
というか、今でもあります。
ただ、同じではありません。
当時は承認欲求に気づいてませんでした。
過去を書き出すと膨大な情報になってしまうので割愛しますが、
簡単に言えば、親に認めてもらえなかった自分をいつまでも引きずり、
いつしか親以外の誰かに認められることで埋めようとしていたんですね。
今だからそうだったとわかりますが、当時の私は無意識でした。
友達に、彼氏に、職場の人に・・・
褒められても注目されても認められても、
親への承認欲求の埋め合わせなので、常に渇望していた気がします。
最初の結婚では書くのもお恥ずかしいくらい人のせいにして生きていました。
口には出さなくても意識が人のせいだから相手も不快ですよね。
親に認められたいインナーチャイルドを持っている私は、
それを当時の旦那さんに向けていました。
しかし、関係が冷え込んでいくとともにゲームやインターネットの世界に逃げました。
ある時、世間を騒がせた事件が起きます。
それは小学生の女の子が同級生をカッターで殺したというショッキングな事件でした。
報道されていた内容の中に、
「インターネット上の掲示板でのやりとりが原因か?」
というものがあり、私は何となく気になってネット検索してみました。
ネットってすごいですね。
女の子同士がやり取りしていた掲示板の魚拓がたくさん出てきました。
今はもうないSNS。
私はちょっとした好奇心から登録するのでした。
ハンドルネームと言われる架空の名前で書き込めるので、
私は日記を書き始めました。
日記にはポツポツとコメントが付き、
掲示板には初めましての人がスレッドを立てて交流が始まりました。
日記に弱音を書けば「大丈夫?」「何かあったの?」と声をかけてくれる人たち。
友達や親に言えないことを書いては発散しているつもりでしたが、
どんどんドツボにハマっていきます。
実際、離婚前後に精神的に参ってしまい、うつ病を患っていました。
そして、そのSNSは心のよりどころでした。
仲良くなった友達の中に、HTMLに詳しい子がいたんですね。
あと、とある場所ではかなり有名なクラッカー。
その人たちからHTMLで自分だけのホームページ、表現の場所を作れるということを教わり、独学でのめり込んでいきました。
メモ帳に直接HTML言語を打ち込んたりコピペしたり、自分の打った文字が画面で形になっていく体験は本当に面白く感じました。
そして、サイトをキレイに作り込んで自分の撮った写真や詩を置けば、SNSでの繋がり以外の交流も広がりました。
音楽ファイルを埋め込んだり、知らないことを知ることに生きがいすら感じていました。
この頃、私の承認欲求はマックスだったと思います。
そんな中、私の離婚へのカウントダウンが始まります。
私は別居する際、実家に帰らず一人暮らしを選択しました。
高校卒業してすぐに家を出た私には帰りたくない場所でした。
しかし、一人暮らしなので生活費がいりますよね?
そんな時、アパレル販売員時代の先輩の好意で店長職で復帰させていただきました。
しかし、次第にうつ病が酷くなり店頭に立てないくらいの酷い状態になり、私は仕事に行けなくなりました。
起き上がれなくて仕事に行けない自分をどんどん責めました。
お店は気にしなくていいから、と先輩にとにかく今はココロとカラダを休めるように、と心のこもった手紙までいただき、無期休職となりました。
それからすぐ思わぬことが役に立ちます。
そうです。
誰かに見てほしい、構ってほしいからと始めたHTMLの拙い知識が私を救ったのです。知り合いの会社が簡単なホームページ作ってほしいって言ってるからやってみないか?と声をかけていただいたのです。
その方は実は母の同級生で、私の家とその人の事務所が近かったこともあり、酷い状態で一人暮らしをしている私をいつも気にかけてくれていました。
事情も知っていたので、その会社に正社員で働けるように段取りまでしてくれました。
趣味で始めたことがこんな形で仕事になるなんて。
承認欲求を満たすために始めたことでしたが、それが今でも仕事の一部になっているとは当時の私には思いもつかないでしょう。
誰かに見てほしい、認められたい、存在を知ってほしいと強く願い始めたことが自分を救うとは。
独学なので、不十分なところもある知識ではありますが、この先も私より知識のあるビジネスパートナーを見つけてカタチを変えて継続していくつもりです。
今の私にも承認欲求はあります。
何が違うのか?
今までの私は親に認められたかったのではなく、
自分自身が自分を一番受け入れて認めていなかったということ。ここに気付いたことでしょうか。
時間はかかりましたが、自分ととことん向き合ってきた結果です。
あと、承認欲求も使いようによっては大きなパワーになると思います。
ただ、承認欲求を炸裂させている時は、当の本人は大真面目に承認欲求ではなく、世の中のためにしている!人のためなんだ!与えるためにやっているんだ!と思っています。
実際、承認欲求が動機でも人の為になってればいいんですけどね。
ドキッとした人はちょっと自分と対話してみましょう。
今の私をもたらしてくれた承認欲求に乾杯。
みなさんの承認欲求は何をもたらしそうですか?
筆者プロフィール
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上野理恵(うえのりえ)
アール代表兼デザイナー
美容師、アパレル販売員、アパレルデザイナーを経て現在アクセサリーデザイナー、講師として活動中。
数年前にヨーロッパの伝統的な刺繍の一つ、ソウタシエに出会い、技術として取り入れる。現在は独自のソウタシエアクセサリー講座を開催。
ソウタシエだけではなく、ワイヤーワーク、ミシン加工による作品展開など、専門分野は多岐に渡る。
カタチや枠にとらわれない自由な発想とデザインによる完全おまかせのオーダーアクセサリーが一番人気。リピーターも多い。
少しトーンの低い声で繰り出す大阪人特有のキャラクターが親しみやすいとの声も。